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携帯圏外で、すっころんできました。

すっころびに行った動機 

ロードバイク乗りの中で、首都圏の有名なヒルクライム練習場の一つが都民の森・風張峠。

富士ヒルの練習台としては例年箱根に登っていたものの、他のところも走ってみたいのと「有名な場所だし、都民の森くらいはいっぺん行っとかなきゃね」というふうに思っていたので、「ま、奥多摩の延長やし大したことないでしょ」くらいのノリで行くことに決めました。

 

今回のルート

荷物背負って走るのは嫌なので、輪行で行く場合はだいたいスタートとゴールが同じ場所になるように計画するようにしています。つまり、ぐるっと一周するか、それとも往復するかのいずれか。

今回は都民の森・風張峠を越えたあとに奥多摩湖にも行きたかったので、それならぐるっとまわって青梅経由で武蔵五日市まで戻ってくればいいんじゃない?ということでコースを組んでみました。

 

中央線輪行という苦行

今回はヒルクライムなので体力温存のために輪行を選択。

奥多摩方面は立川や青梅、拝島での乗り換えが面倒…デカい荷物もってるから余計に。こういう時に約に立つのがホリデー快速おくたま・あきがわ号。

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他のエリアのホリデー快速と違ってロングシートE233系なのが残念ポイントだけど、乗車率や輸送人員を考えるとこうせざるを得ないんだろうなぁと。なんせ新宿6:46発の電車が満員で出発するんだから…しかもほとんど降りないし…そして始発駅での駅取り合戦。30分前から並んでないとダメだし、それでも隙をとられて席がなくなることも。

そういうこともあってホリデー快速おくたま・あきがわは、基本的に苦行。なんとかしてほしいと思いつつも、今のインフラではもうどうしようもないので、あきらめるしかないけどね…

 

老人ホイホイ「奥多摩

武蔵五日市につくと、駅前のバスのりばにごった返す、人人人。

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アクティブ老人が大半。ほとんどが路線にある周辺のハイキングコースへ向かう。

しかもバスの本数も1時間に1本くらいなので、バス数台でないと対応できないレベルで並んでるという地獄。そんな状況なので増発は出てるけど。

しかし老人が多いのも実は納得できる要素で、都民の森は奥多摩の自然をぎゅっと凝縮したような感じで、なおかつ初心者向けハイキングコースも充実しているし、バスに乗っていれば着くので(1時間以上かかるけど)、そういう意味で幅広く人気がある模様。小さい子ども連れの親子も多かったし。

 

ヒルクライム開始

まずは武蔵五日市駅前から、都民の森をめざす。およそ30kmほど。概ね20kmくらいは緩やかな上りと少しの下りを繰り返す感じ。だいたい平均20〜25km/hをキープするも、30km/hくらいで走ってる人に抜かれていく悲しみ。でも体力温存。相手にすると後で自分が死ぬ。徐々に坂が増えてきて15km/h辺りが精一杯になってきて、トロトロと進みはじめます。むりみ。

のどかな景色、晴れやかな天気、坂はしんどいけど今日の酒はうまいやろな…とか思って必死にペダルを漕ぎます。だいたい10km/h前後。ガンガン抜かれてく。

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人家がどんどんなくなり本格的に山の中に入っていって、数馬の湯という温泉施設を通り過ぎたらそこは地獄の一丁目奥多摩周遊道路の入口にたどりつきます。(かつて有料道路だった名残で、料金所跡がある。ここから都民の森までは約3km)

 

本当の地獄はここから

えっと、山を見上げると、遙か上の方を自転車で走っている人が見えます。

つまり、そこまで登るということですね?

えええええないわないわという気持ちと、もう今更引き返せないという気持ちが入り交じりつつ、と、とりあえず一番軽いペダルで漕ぎまくれば着くよね?とチマチマ進みはじめました。九十九折りをひたすらゆっくりと。時折、道から下を見るとさっき通ってきた道が見えたりして、おおー、こんなに登ったのかと感慨深くなりますが、まだ地獄は終わらない。

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これまだまだ続くのかな…と思ってたら都民の森の駐車場に到着。
おおー、ここが!あの!都民の森!

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てっぺん目指して

都民の森に着いて、とりあえず一休憩。「峠を越えたらソフトクリームでご褒美」というのが職場のロードバイク仲間での定番なので、売店でソフトクリームを調達。

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この先に、東京都で一番高いところにある道、風張峠があるのですが、ここまでで既にある程度しんどかったので、予定変更して帰ろうかなという気持ちがよぎったものの、ここまで来ておいて帰ったらもったいないという気持ちが勝って、気持ちを奮い起こして坂道を再スタート。

この道あとどんだけ続くんやろ…と思ってたらあっさりと「風張峠駐車場」の看板。そして、休憩するローディー達。

えっ、ここ?

拍子抜けするほどあっさりしてて、まさかと思ったけどホントに風張峠はここでした。

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すっころびました

風張峠からは奥多摩湖に向かいます。

行路は全て下り。10kmほど延々と下りが続きます。下りも概ね九十九折りの道なので、カーブまでにしっかりと速度を落とさないといけません。

延々と続く下り道では、ブレーキがとにかく命綱。

ただ、握り続けていると腕がだるくなってきて、握力が出なくなります。
従って、走行中にブレーキをある程度緩めつつ腕を休ませて、またブレーキをかけて…という操作を繰り返し、途中で休憩を入れて握力が回復するのを待ってから下山を再開するのが鉄則です。今回もこの鉄則通りにやってはいたものの、カーブを曲がりきれず、中央分離帯のポールに接触。そしてバランスを崩して転倒したわけです。
↓こんな感じのヤツ

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気をつけてスピードを落としてはいたものの、ブレーキが足りなかった。最大ブレーキだったので、もっと前からブレーキをかけて速度を落としておくべきだった、というのが反省点。

 

転倒からの復帰

転倒した瞬間から「対向車が来る前に道路脇に移動!」と意識は働いていて、すぐに道路脇へ移動。周囲にクルマの気配が無いことを確認して自転車を回収し、比較的スペースのある道路脇へ。このとっさの判断は今でもビックリしている。

そして怪我の状況を見たらうわめっちゃ擦りむいてる痛い痛い痛い!消毒したいけど水もないし…ううむ。

状況としては、この時点で全行程の6割(50kmほど)が残っており、荷物が武蔵五日市駅ロッカーにあるので帰るにしても荷物の回収が必要。50kmとはいえ、ほぼ下り坂なので脚への負担は少ないと思われる。また、最低でも奥多摩駅までいけばタイムズカーシェアもあるので、自転車を乗せて応急処置に必要な物品を調達しにいくことは可能。奥多摩駅周辺にドラッグストアは期待できないものの、古里駅までいけばセブンイレブンはあるし、青梅市内に出ればドラッグストアもあるはず。もしくは、そのままクルマで武蔵五日市までいって荷物を回収し、再び奥多摩駅まで戻って輪行で帰ることも可能…。

というわけで「少なくとも奥多摩駅までたどり着けるかどうか」を考えることにしました。そこで、以下のように検討を進めました。

  1. まず、体調的・機材的に、移動が可能な状況かどうか判断する。
    無理そうなら、すぐ助けを呼ぶ。
  2. 移動が可能なようであれば、ゆっくり様子を見ながら下山し、清潔な水が確保できる場所で傷口を洗浄する。
  3. その後、薬局で傷薬や絆創膏等を確保し、応急処置を行う。これは状況によってはカーシェアを使って対応する

さてまず1の判断。
ガッツリと擦り傷は刻み込まれているものの、骨折はしていなさそう。ただ、時間経過とともに痛み出す可能性はあるので、注意はしておくことに。

※ちなみに「助けを呼ぶ」ですが、自転車損害保険に入っているので、何かあった場合は呼べばロードサービス対応してもらえます。最悪このサービスを使おうと思っていました。しかし圏外だったのでこの場所では不可能でしたが。

続いて機材のチェック。ハンドルが左方向にねじれていた(笑)
工具でネジを緩めてハンドルの方向を正してネジを締め直してリカバリ終了。チェーンも外れていたので再セット。漕ぎだして異音がしたらその時点で走行中止するつもりで試走してみたら、特に問題はなさそう。

というわけで1は問題なかったので移動開始。展望台を兼ねた駐車場がいくつかあるので、そこならトイレとかあるはず…と思って走りはじめました。

ちなみに展望台からの眺め。奥多摩湖が見えます。この時はこのあとすっころぶだなんて思いもしませんでした。

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下山開始

下山を開始してしばらくすると、パトカーと警察官を発見。どうやらバイクとなにかやりあっている模様。

「もしかしたら、何かしら薬局とかの情報が得られるかも!」と淡い期待を込めて話しかける。

「すいません〜、さっき自転車でコケちゃったんですけどぉ…」と切り出すと、バイク・クルマとの接触事故かと思われて尋問がスタートしかけたので「いやいや、ブレーキが足りなくて中央分離帯に接触して転んじゃいました…傷の治療がしたいので、このへんコンビニとか薬局ってないですかね?」と質問。やはり奥多摩駅に多少コンビニまがいの店がある程度だとのこと。

そうこうしてると「というかまず応急処置しときましょう。応急処置用の水とガーゼあるから、とりあえず洗って止血だけしておこう!」といきなりおっしゃっていただき、好意に甘えることに…
(後から聞いたところ、結構転倒事故は多いそうで、応急処置用にパトカーに常備してあるそうです)

 とりあえず洗浄だけするつもりだったのが意外にも圧迫止血までしてもらえたので、方針変更してとりあえず自走で青梅市内まで出ることに。

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そんな風に思っていたらお腹も空いてきて「奥多摩湖出たら、鹿肉定食でも食っていくか〜!」とのんきな私…

丹下堂で、鹿肉定食をオーダー。

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 この店からの景色はとてもよい…

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ドラッグストアを探し、彷徨い走る

腹ごしらえも済み、傷の治療をせねばと再び走りはじめました。

とりあえずセブンイレブンにいけば傷薬は確保できるし、うまくいけばガーゼもあるかも…と思って走行開始。ちなみに、最寄りのセブンイレブンは14km先の古里駅前。

途中、ガーゼを止めたテープが剥がれかけつつもセブンイレブン到着。んー、傷薬はあるけどガーゼはねぇなぁ…とりあえず傷薬で消毒しとこ。その後寄った御嶽駅前のセブンイレブンも同様でした。

↓ウエアも負傷。結構いいお値段するんですけどこれ…

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これは本格的にドラッグストアを探さねば…まずは青梅駅前やな、ということで15km先の青梅駅前に到着。ドラッグストアの気配無し。検索すると、5kmほど行ったところにマツキヨがあることがわかったのでマツキヨへ。傷の修復パッドとミネラルウォーターを確保して道ばたで貼り付けて走行開始。関節部でもフィット感があるのでとても動きやすい。これなら残りの行程10kmほども大した道じゃないしなんとかなりそうだな〜、と思っていましたが甘かった。

 

最後に訪れた地獄

青梅駅から武蔵五日市駅までは秋川街道を走りました。てっきり平坦な道なりだと思っていたんですが、下調べが甘かった。実はちょっとした峠越えで、峠にも名前がちゃんとあるくらい、峠越えです。(二つ塚峠)

だらだらと長い坂が続くんだけど、渓谷というわけでもなく、田園が広がるでも無く、墓地や斎場、工場などが続く、とてもつまらない道…走っている人もほとんどおらず…
(たぶん市街地からみて山の裏側になるので、こういう施設が集中している模様)

峠を越えて坂を下り、ようやく武蔵五日市駅に到着…

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今回の走行記録です。

転んでからの方が走行距離が長いっていう…www

 

お願い座らせて怪我人だから

駅に着き、自転車をバラして輪行状態にした後、コンビニでごほうびビールを購入。長い車内、一本くらい飲みたいよね。

冒頭で書いた「ホリデー快速おくたま・あきがわ」ですが、帰りも激混みだろうと思っていたので、駅のトイレで傷パッドを交換して、乗車30分前にはホームに到着。

待っていたら、あとから来た輪行カップルに声をかけられて、今日のライドの振り返りや情報交換など。そうこうしてるうちにホームは登山客でごった返すほどに。

そして電車が入線。

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入線と同時に自転車を置いて座席に座るつもりでしたが、「ここ一緒に置けますよ〜」とか言われて「あっ、じゃあ一緒に…」とかやりとりしてるうちに席取り合戦に負け、狙ってた端の座席がすべて埋まってしまいました。ショック。ここから1時間も立ったままとかマジでヤダ。こっちはケガしてんのに!ぷんぷん!

というわけで申し訳ないが一人、移動して車いすスペースへ。優先席が空いていたので「ケガしてるから今日は優先対象!」ということにして痛そうにしつつ(実際痛いんだけど)帰ってきました。

缶ビール飲んだけどねw